歯周病は歯周病菌による感染症であり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように、その方の普段の生活や歯磨きの習慣が密接に関係しています。
当院では患者さまがご自身の口の中について興味を持ち、「歯周病で歯を支えている骨が溶けてしまうのは、磨き残しからできた歯垢（プラーク）のために歯ぐきに炎症が起こるため」ということをしっかりと認識していただけるよう、まずは歯周病についての正しい情報をお伝えすることを心がけています。
重症化してしまった歯周病に対しては、歯ぐきを切開して歯根面に付着した歯垢や歯石を取り除いたり、溶けた骨を再生させる再生療法を施したりと、専門性の高い歯周外科の治療もご提供しています。
定期検診に通っていただいている患者さまについては、少なくとも年に1回はレントゲンを撮影し、肉眼ではわからない部分も確認を取ることで歯周病の進行を防ぎ、良好な状態の歯ぐきを維持できるように努めています。

医院によっては一律で定期検診の間隔を3か月や4か月などに設定しているところもありますが、お口の中の状態や歯周病の進行度合いは人によって異なるため、検診の頻度も患者さま個人個人に合わせなくてはならないというのが当院の考えです。
ある程度まで進行してしまった歯周病に対しては、通常の歯石除去に加えて、SRP(歯肉縁下スケーリング・ルートプレーニング)という処置が必要となり、麻酔をした上で歯周ポケットの内部にまで入り込んだ歯垢や歯石を除去することになります。
歯周病の改善のためには、毎日のご自宅のケアの精度を上げ、定期的にプロの厳しい視点でお口の中をチェックして専門的な方法によるクリーニングを続けていくことが不可欠です。
歯周病の治療は、患者さまだけ、歯科医院だけが頑張って治る病気ではありません。患者さまとの信頼関係を築き、力を合わせて一緒に治療を進めていきたいと考えております。

歯周病の治療とダイエットはいくつかの部分で共通点があります
。歯磨きが上手にできていなかったために歯ぐきが腫れて歯周病を起こしていた方が、歯科医院の指導を受けて適切な方法で磨くようになって症状が改善したとしても、それを続けられずにまた歯ぐきが腫れ上がってしまう状態は、「せっかくダイエットで引き締まった体を手に入れたのに、日常生活の中で緩みが出て元の体重に戻ってしまった」ということと同じです。
油断をしているとすぐにダイエットにおけるリバウンドのような後戻りの症状が出てくるのが歯周病治療です。
ダイエットも歯周病治療も、長期的な視点に立って実践し、小さな日々の努力をきちんと積み重ねていくことで大きな効果が表れてきます。